先日、X(旧Twitter)でこんな投稿が広く拡散され、ゲーマー界隈でちょっとした議論を呼んでいました。
ゲームが下手な人のパターンは
「チュートリアルを読んでない/理解してない」と
「反応速度や思考強度が追いつかず最適解を取れない」の2つに大別されるように見える。複合もあるが。個人的に前者の例は相当数が「こんなん遊べるわけ無いじゃん、クソゲー」と言ってすぐにゲームを投げがちに見える。
これに対し、「料理下手な人がレシピを見ずにアレンジして失敗するのと同じ」「上手い人ほど設定画面を隅々まで読むよね」といった賛同の声が多数寄せられていました。
当ブログは、いかにシステムを理解し、効率化してゲームを支配するかというロジックを愛するスタンスをとっています。
今回はこの「ゲームが下手な理由」について、少しメタ的な視点から、私の実体験も交えつつ考えてみたいと思います。
なぜ「読まない」のか? ——ゲームを「魔法の箱」のままにする人たち
「ゲームの上達が早い人ほど、まずオプション画面を開いて設定をいじり、マニュアルを熟読する」というのは、ゲーマーの間ではよく知られた定説です。
では、なぜそうでない人たちは「読まない」のでしょうか。
単なる面倒くさがり、と片付けるのは簡単ですが、実はゲームに対する「捉え方」そのものが根本から違うような気がしています。
読まない人にとって、ゲームは「中身のわからない魔法の箱」です。
ボタンを押せば、理由はよくわからないけれど派手なエフェクトが出て敵が倒れる。
彼らにとってゲームとは、遊園地のアトラクションに身を委ねるような受動的な体験なのです。
だから、負けた時も「敵が強すぎる」「理不尽だ!」とシステムに怒りをぶつけます。
箱から急に理不尽な罰ゲームが飛び出してきたように感じているからです。
対して、思考型のゲーマーはこの「中身がわからない状態」を何より嫌います。
マニュアルや仕様を読むのは、箱の蓋を開けて歯車の構造を理解し、自分の支配下に置くための作業です。
チュートリアルの「この敵は炎に弱いぞ」という一文も、ただの物語のセリフではなく、「炎属性ならダメージ倍率が上がるんだな、そして何倍だろうか」というルールブックとして解読しています。
だからこそ、ゲームオーバーになっても怒りません。
「今の失敗はあの仕様を見落としていた自分の計算ミスだな」、もしくは「何か自分が知らない仕様が隠れているのでないか」と、淡々と検証作業に戻るだけなのです。
ジェットコースターの乗客としてキャーキャー楽しむか、自分でレールを敷く設計士になるか、という遊び方の違いですね。
まあ、設計図を読まない設計士が作ったレールなんて、怖くて乗れたものじゃありませんが。
「反応速度」の壁は、物理デバイスの暴力で越えろ
もう一つのパターンである「反応速度や思考強度が追いつかない」という問題。
こればかりは反射神経や年齢も絡んでくるので、「気合でなんとかしろ」とは口が裂けても言えません。
しかし、上手いプレイヤーほど「自分の肉体的なスペックの限界」を冷静に受け入れています。
だからこそ、彼らは「多ボタンマウス」のような環境構築に迷いがありません。
指先の操作をマクロ機能で自動化してしまえば、脳の計算リソースに余裕が生まれます。
ミクロの反射神経で若者に勝てないなら、機能とデバイスの暴力でヒューマンエラーを物理的に削ぎ落とせばいい。
これはこれで、立派な戦略です。
パニックになって操作をミスるのは、脳のリソースが『指を動かすこと』で一杯になっているからです。
環境を肉体に最適化させれば、残りの頭脳はすべて『戦術』に回せますよ。
「なんか勝った」を許さない『艦これ』の事例
アクション操作の腕前が一切関係なく、「知識量」だけが結果に直結するゲームとして、私がかつて手首が痛くなるほどやり込んだ『艦隊これくしょん(艦これ)』を例に挙げさせてください。
このゲームの戦闘は基本的に自動進行で、本質は「乱数(運)との戦い」です。
システムを理解していないと、勝った時は「なんか勝った」、負けた時は「運が悪かった」で思考が止まってしまいます。
しかし、本気で取り組むプレイヤーは、制空値を細かく計算し、装備や編成のシナジーを調べ上げます。
なぜなら、「勝率を10.0%から10.1%へ引き上げるため」です。
仕様を読まないということは、このゲームにおける唯一の武器である「確率を少しでも自分に引き寄せる権利」をドブに捨てているのと同じことなのです。
逆境すらハックするマインド
では、もし「チュートリアルやテキスト自体が間違っていたら」どうでしょう?
当ブログで紹介したインディーゲーム『終焉魔女の旅々』は、翻訳エラーのせいで「カードに書かれているテキストが嘘をつく」という困ったバグを抱えています(※記事執筆時点)。
普通ならここで「クソゲー!」と投げてもいいところです。
しかし、効率化の沼にハマった人間はちょっと違います。
「テキストが信用できないなら、カードをドラッグした時に矢印が出るかどうかで裏の挙動を判別してやる」
「説明が定量的じゃないなら自分で関数化してやる」
と、あの手この手でゲームを解体し始めます。
与えられたルールが壊れているなら、自分で真のルールを探り当てて合法的な抜け道を見つける。
これこそが、理不尽なゲームへの最高のカウンターであり、醍醐味でもあります。


「たかがゲーム」の罠:FF14フロントラインと時間の価値
最後に、FF14のPvPコンテンツ「フロントライン(FL)」を例に、少し現実的なお話をします。
SNSを見ていると、「自分は下手で楽しくないけど、日課の報酬のために通っている。苦痛だ」と嘆く声をよく見かけます。
「たかがゲームだし、負けても報酬はもらえるのだから、本気で仕様を覚える意味がわからない」と。
ただ、ここには一つ大きな見落としがあります。
適当にウロウロして倒されながら終わるのを待つ20分も、仕様を理解して自軍のために本気で盤面を動かして熱狂する20分も、現実世界のあなたの寿命を「同じ20分」消費していることに変わりはありません。
どうせ同じ時間を支払うのなら、ただ苦痛に耐えるよりも、少しだけ仕様を理解して「勝利の快感」を得るほうが、時間の上手な使い方ではないでしょうか。


『たかがゲーム』と言いつつ、毎日きっちり20分の苦痛を自分に課しているのは不思議な話ですよね。
どうせ時間を投資するなら、自分が一番気持ちよく過ごせる環境に作り変えないともったいないです。
おわりに
「ゲームが下手な人」は、システムに振り回されて疲弊してしまいます。
対して「ゲームが上手い人」は、システムを理解して最適解を導き出します。
そして私たちのような少しひねくれたゲーマーは、システムそのものをハックして、自分だけの全自動勝利工場を組み上げることに無上の喜びを感じます。
もしあなたが今、「反応速度が追いつかない」「仕様が複雑すぎる」と壁にぶつかっているなら。
ゲームのせいにしてしまう前に、少しだけ立ち止まって「自分の環境と捉え方」を見直してみてください。
ゲーム環境を最適化し、真の仕様を読み解き始めた時、その理不尽なクソゲーは、噛めば噛むほど味が出る極上の「スルメゲー」に化けるかもしれません。









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