【終焉魔女の旅々】#0 美麗ドット×美少女×デッキ構築ローグライト。神ゲーの予感と、立ちはだかる「翻訳」の壁(DEMO版レビュー)

6月5日に製品版リリースを控える『終焉魔女の旅々』、DEMO版をレビューします。

最大4人までのマルチプレイに対応したデッキ構築型ローグライトという、野心的な本作。
(※今回はソロでのDEMO版プレイレビューとなります)

システムとビジュアルのポテンシャルは極めて高いのですが、現状「ある一つの致命的な問題」を抱えています。

今回は、本作の面白さと、購入を躊躇させる懸念点について語っていきます。

※製品版がリリースされました

この記事はDEMO版時点のレビューです。
「UIが直るまで買わない」と結論づけていますが、気づいたら製品版で『禁止カード』を錬成して悪い笑顔になっていました。
そんな筆者の言い訳(製品版レビュー)はこちら。


目次

『スレスパ』の血脈と、決定的なルールの違い

本作の戦闘システムは、ジャンルの金字塔『Slay the Spire(以下、スレスパ)』のDNAを色濃く受け継いでいます。
自分のターンと敵のターンを交互に繰り返し、使用したカード(「焼却=廃棄」効果がないもの)は即時捨て札へ、使用しなかった手札はターン終了時にすべて捨て札へ送られ、山札が尽きれば再シャッフルされます。
デッキ構築ゲーマーなら、チュートリアルなしで脳に馴染むお決まりのルールです。

しかし、一つだけ決定的に違う点があります。
それは、「余ったブロック(防御)の値がターンを跨いでも保持される」という仕様です。
このルールの存在により、「今ターンは過剰にブロックを積み、次ターンで一気に攻めに転じる」というリソースの貯蓄が可能になり、防御の考え方がスレスパとは全く異なるベクトルへと進化しています。

戦闘イメージ。数曲ループを垂れ流しなのが少し気になりますが、BGMもいい感じです。

構築欲求を刺激する、4つの特徴

本作がただのフォロワータイトルに留まらない魅力を、4つのポイントから解説していきます。

つい見入ってしまうドット絵とキャラクター

まず目を引くのが、滑らかに動くドット絵のクオリティ。
自機である魔女たちはもちろん、敵モンスターに至るまで美少女ベースでデザインされていて、モーションもエフェクトも丁寧です。
殺伐としたリソース管理の合間に、こういう視覚的なご褒美があるのは素直に嬉しいですね。

待機中のモーションも素晴らしい(静止画なので伝わりませんが)。

コンボの起爆剤となる「固有スキル」

各プレイアブルキャラクターには、特定のターンごとに使用できるスキルが存在します。

例えば、あるキャラのスキル「カードを5枚ドローし、このターン使用しなかったカードは全て廃棄(焼却)される」というものです。
デッキビルダーならこの時点でピンと来るはずです。超強力な「山札圧縮」であると同時に、廃棄枚数に応じて火力がスケールするカードとのシナジーが確定しています。
他にも「敵の行動を一つ破壊(キャンセル)する」という、ターン制の概念を覆すようなスキルもあり、キャラごとの特性を軸にしたデッキ構築が楽しめます。

DEMO版時点で5人のキャラが用意されている。
変身する、デッキを見て1枚ドローなど、キャラごとに個性的なスキルが用意。

『クロノアーク』を彷彿とさせるステータス管理

本作にはRPG的なステータスの概念が存在します。
最大HP、初期ドロー枚数、攻撃力といった基礎ステータスがあり、戦闘後の報酬などで「どれを上げるか」の選択を迫られます。さらに、各ステータスが一定値に達するとボーナスまで発生する仕様です。
単なるカードの追加や削除だけでなく、キャラクター自体の地力をどうビルドしていくか。
このリソース管理の感覚は、『クロノアーク』のプレイフィールに非常に近いです。

ボスまでのルートを自らコントロール

ローグライクといえばランダム生成のマップがお約束ですが、本作は「その層に到達した際、自らカードを配置してボスまでのイベントを決定する」というシステムを採用しています。
今のデッキ状況に合わせて、いつ回復マスを踏むか、どこでショップに寄るかをある程度コントロールできます。
理不尽な運要素が減り、論理的な計画性が求められるのは個人的に大歓迎です。

戦闘カード、ショップカード、休憩カード、などを空きマスに当てはめていく。

唯一にして最大の懸念:ローカライズ(翻訳)の甘さ

ここまで絶賛ばかりですが、冒頭で述べた「致命的な問題」について触れておく必要があります。
DEMO版時点での、日本語ローカライズの質の低さとUIの崩れです。

直訳気味で意味が汲み取りづらいテキストや、そもそも翻訳されていない中国語(?)が多数残っています。
さらに致命的なのが、テキストがUIの枠からハミ出してしまっており、カードの正確な効果やフレーバーテキストが読めない箇所があることです。

デッキ構築型ゲームにおいて、「テキストの正確さ」は命そのものです。「〜の時」「〜の場合」といったわずかなニュアンスの違いがシナジーの根幹に関わるジャンルにおいて、翻訳の不備はプレイヤーの思考への重大なノイズとなります。

よ、読めない。

総評:製品版のパッチにすべてが懸かっている

『終焉魔女の旅々』は、美しいビジュアルと、底なしの構築ロジックを秘めた傑作になり得るポテンシャルを持っています。
マルチプレイでこのシナジーを掛け合わせたら、どれほどカオスで面白いことになるか想像もつきません。

いち早く製品版(6月5日リリース)を買ってフレンドと魔女の旅に出たい。心からそう思っています。
しかし、このローカライズとUIの問題が解消されない限り、私は購入のボタンを押すことができません。
今のままでは、気持ちよくロジックを組むための快適な思考環境が整っていないからです。

どうかリリース日、あるいは早期のパッチでこのテキスト問題を修正してくれることを強く祈っています。
その時こそ、私は喜んでこのゲームに睡眠時間を捧げたいと思います。

ロジカちゃん

ゲームシステムがどれほど優れていても、言語の壁で計算が狂うのは、PCゲーマーにとって最大のストレスですからね。
ウィッシュリストに入れて、静かにアプデの報告を待ちましょうか。


アプデを待つ間の「代替となる沼」のご紹介

とはいえ、本作の魅力に触れて刺激されたデッキ構築欲求を持て余してしまう方も多いはずです。
パッチが当たるまでの間、その思考欲求を満たしてくれる当ブログの過去記事へ誘導しておきます。

純粋なロジックとマルチプレイの狂宴を求めるなら
本作の戦闘システムのルーツであり、現在アーリーアクセスが展開されているジャンルの王様です。
デッキが噛み合う快感や、エゴとエゴが衝突するマルチプレイに興味があるなら、間違いなくあなたの時間を溶かします。

RPG的なステータス管理と美しい世界観を求めるなら
本作のステータスを育てていく要素や美麗なキャラクター達に惹かれたのであれば、こちらの名作をおすすめします。
シビアなリソース管理と、美しくも残酷なストーリーが見事に融合した傑作です。

ロジカちゃん

翻訳の修正を待つ間に、過去の名作で泥沼にハマって戻ってこられなくなる……。PCゲーマーあるあるですね。
まあ、脳みそを遊ばせておくよりは、よほど有意義な時間の使い方でしょう。

※製品版がリリースされました

……と、ここまで「ウィッシュリストに入れて静かに待つ」と結論づけたわけですが。
発売翌日、開発チームから出された「ある声明」を見て、気付いたらカートの決済ボタンを押していました。
著者の言い訳と、どれだけこのゲームの『沼』に沈んでいったのか。
続きは以下の製品版レビューで紹介します。


【環境構築】手首の疲労をなくす「マウス選択」の重要性

マウス操作だけで完結する本ゲームにおいて、普通のマウスを振り回すのは手首の寿命の無駄遣いです。

本作の沼にどっぷり浸かるなら、背もたれに深く寄りかかり、指先だけで戦局を支配できるトラックボールマウスの導入を強く推奨します。

【筆者の実体験】
筆者はかつて『艦これ』の無限周回によって手首を完全に破壊され(腱鞘炎)、このデバイスに乗り換えたことで救われたという絶対的な実績があります。
慣れるまで操作に癖を感じるかもしれませんが、プレイ後の疲労感は文字通り別次元です。

唯一のデメリット(注意点)】
職場や研究室など「他人が自分のPCを触る可能性のある環境」での使用はおすすめしません。
PCトラブル等で他人にヘルプを頼んだ際、操作が特殊すぎて100%文句を言われます。
あくまで「自分だけのゲーミング環境」に導入してください。(もしくは、代替の普通のマウスを用意しておきましょう。)

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