【Satisfactory 1.2】#2 血の通った電力網構築論と、絶望の「スマートプレート」

ある目標を達成するための工場を建てる。
その素材を作るための工場を作る。
増えた消費電力を賄う燃料を作るための工場を……。

何か一つをやろうとすると、その手前に5つのタスクが生え、さらにその手前に10のタスクが増殖する。
FICSIT社の業務とは、この終わらない依存関係の泥沼を笑顔で泳ぎ続けることと同義である。

前回、私は砂と泥をすすりながらティア1のマイルストーンを達成し、工場の基本人権ともいえる「土台」と「コンベアの分岐・合流」という武器を手に入れた。

今回のミッションは、基本3種資材(鉄、銅、石灰岩)から作られる、鉄板やワイヤーといった中間資材の完全自動化ラインを構築することである。

しかし、その計画に着手する前に、どうしてもやっておかなければならないことがある。

わが工場の貧弱な「電力供給キャパシティの拡張」と、全工場長が親の顔より見たであろう作業、「草むしり」からの脱却だ。

目次

電力拡張と、環境破壊(物理)の効率化

まずは手作業による力業のクラフトで、ティア2「障害物の除去」を達成する。

satisfactory ティア2 障害物の除去

これにより、砂漠の開拓スピード(物理)を劇的に加速させる文明の利器「チェーンソー」と、新燃料「固体バイオ燃料」が解禁された。

チェーンソー解禁:爽快感と罪悪感の板挟み

このチェーンソー、工場長の周囲の草木を一瞬にして丸裸にする素晴らしいツールである。

伐採前、かろうじて緑が残るオアシス
伐採後、ハゲ散らかした大地

余談だが、バージョン1.2になってから(と思われる)、木を切り倒した瞬間に「バリバリバリ!」と凄まじい音を立てて崩れ落ちるようになった。
以前は豆腐のようにスパッと切れて消滅していた気がするのだが、無駄にリアルな物理演算のせいで、環境を破壊している罪悪感が胸をチクチクと刺してくる。
おそらく本部の悪趣味な仕様変更だろう。

固体バイオ燃料による「疑似」自動化ライン

チェーンソーで根こそぎ刈り取った葉や木は、新技術「固体バイオ燃料」へと加工する。
バイオマス2個を1個の固形燃料に圧縮することで、熱効率はさらに跳ね上がる。

ここに、奴隷工場長のささやかな抵抗を差し込む。

手動で設置する「バイオマスバーナー」は、HUB付属のものより出力が大きいだけでなく、「コンベアの入力口」がついている。
つまり、チェストに放り込んだ葉や木が、自動でバイオマスになり、さらに固体バイオ燃料へと加工され、そのまま各バーナーへ分配されて吸い込まれていく「疑似自動化ライン」が組めるのだ。

初期のコンベア(毎分60個搬送)なら、1ラインで最大15台のバーナーを養える計算になる。
今回は、ひとまず8台(計240MW)まで拡張した。

植物を燃やした時に出るCO2は、プラマイゼロ。

これでようやく、数分おきにバーナーの残燃料を確認するという不毛なルーティンから解放された。

泥沼の自動化初期ライン構築

電力に余裕ができたので、いよいよ本命である「資材の自動化」へ移行する。
……が、これが本当に面倒だった。

各鉱床まで綺麗に土台を伸ばそうとすると、コンクリートが足りない
それならと、コンクリート保管用コンテナを置こうとすると、鉄板が足りない

結局、自動化ラインを作るための資材を、工場長が工作台でスペースキーを叩いて生み出すハメになる。
本末転倒の極みだが、これがFICSIT社の洗礼だ。

そうして汗と涙と機械油にまみれて完成した、初期ラインの空撮がこちらだ。

ここでまた少し脱線するが、バージョン1.2で追加された(と思われる)「フォトモードの視点切り離し機能」は本当に素晴らしい。
宙に浮ける装備がない序盤でも、こうして工場の全景を俯瞰できるようになった。
技術の進歩は、奴隷の撮影環境だけは快適にしてくれたらしい。

FICSIT社員が生き残るための「電力網構築論」

さて、上の空撮画像のように機械が増えてくると、絶対に避けて通れない天災がある。

「ブレーカーの遮断(大停電)」だ。

このゲーム、中盤以降に一度でもブラックアウトを起こすと、復旧作業は文字通り地獄になる。
原因が単純なキャパシティオーバーならまだマシだ。
需給グラフの「最大消費」を睨みながら発電機を増設すればいい。

現在の電力需給グラフ。最大消費に目を光らせる

本当に恐ろしいのは、うっかり重要な電線を解体してしまったことによる「意図しない系統の分断」である。

工場が巨大化し、あちこちに複数の発電所と消費ブロックが点在するようになると、電線をうっかり1本見落として解体しただけで系統が分断される。
そして片方の孤立したエリアで一瞬にして「消費>発電」となり、ブレーカーが落ちる。

ぐちゃぐちゃに張り巡らされた電線の中から原因箇所を探すのは不可能なため、復旧レバーを上げても、上げた瞬間に「バチーーーン!」と凄まじい音を立てて再び落ちる無限ループが始まる。
発電所を動かすための採掘機すら動かせない、完全なるブラックアウトだ。

トラウマから生まれた「キュービクル式」配線ルール

これを防ぐために、私は自分の中で絶対の鉄則としている配線ルールがある。

工場内の各生産エリア(例:鉄板をひたすら生産する区画など)を1つの「ブロック」とみなす。
そして各ブロックには、現実世界でいうキュービクル(受電設備)の役割を持つ「代表電柱」を必ず1本だけ決めておき、「メイン幹線」と接続するのはその1本の電柱だけにする。

そして、ブロック内部の機械たちは、絶対に外のメイン幹線と直接繋いではいけない。

もし大停電が起きたら、すべてのブロックの代表電柱をメイン幹線から切り離し、需要をすべて孤立させる。
その後、発電ブロックだけをメイン幹線に繋いで単体起動。負荷ゼロなので確実に復旧する。

その後、代表電柱を1つずつ順番に幹線に繋ぎ直していけば、どのブロックを繋いだ瞬間にブレーカーが落ちるかで、一発で戦犯を特定できる。

この自分ルールを設定しておかないと、後半の巨大工場は100%デバッグ不可能になる。
新米工場長は、騙されたと思ってこのルールだけは覚えておいてほしい。

ロジカちゃん

社内の安全基準を満たす合理的な手法であり、本部としても推奨します。
ただし、配線の整理に時間をかけすぎた結果、納品が遅延することは許可されていません。

50倍ノルマの可視化、依存関係の泥沼

電力網を美しく整えたところで、砂漠のど真ん中にそびえ立つアレが視界に入る。

軌道エレベーターだ。

satisfactory 軌道エレベーター
砂漠の空を衝く

こいつのファーストステージ納品を終わらせないことには、待望の電力革命(ティア3)へは進めない。
そしてここで、本部の経営陣が設定した「50倍ノルマ」が、いよいよその牙を剥いた。

要求された資材は、「スマートプレート 2,500個」

通常設定ならわずか50個。
工作台を数分叩いて組立機にぶち込めばすぐ終わるはずだった。

しかし2,500個となると話は別だ。
このアイテムは手作業クラフトがシステムでロックされているため、機械による自動化ラインで絞り出すしかない

スマートプレートは、「組立機(消費電力:15MW)」を使い、毎分たったの2個というペースで生産される。

現在の我が工場の電力状況を確認する。
……もしこの組立機を10台並べて一斉に動かしたら、その瞬間に工場のブレーカーが飛びかねない。

仮に奇跡的に電力を工面して「10台並列稼働」できたとしても、2,500個納品するには丸々2時間かかる。

そしてこれが、いかに甘すぎる見通しか。

スマートプレートの素材である「強化鉄板」や「ローター」を作るためにも別の組立機が必要で、それらの機械を動かす電力、そしてそれらが湯水のように要求してくる大量の「ネジ」を生産するためのライン構築時間が、この計算には一切加味されていない。

念のため、2,500個のスマートプレートに必要なネジの総数を計算してみた。

(強化鉄板1個あたりのネジ12個 + ローター1個あたりのネジ25個)× 2,500個 = 92,500個

………考えるのをやめた。

絶望のコンベアMk.2

なにはともあれ、現状の貧弱なコンベア(毎分60個)では、このネジの激流を満足に運ぶことすらできない。
ここで、マイルストーンにて「コンベアMk.2(毎分120個搬送)」を解放した。

輸送能力は2倍
ボトルネックになっているラインをすべてこれに置き換えれば、少しは未来が見えるかもしれない。
そう思ったのだが……。

ロジカちゃん

補足事項を通知します。
コンベアMk.2を敷設するためには、素材として『強化鉄板』が必要です。
そして、その強化鉄板を効率よく生産するためには、上位コンベアである『コンベアMk.2』が必要です。

強化鉄板を作るために、強化鉄板が必要。

このゲームは、そんな依存関係の泥沼だけで構成されている。


【環境構築】左手を解放する「多ボタンマウス」のすすめ

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schemancer
管理人・工場長
中心:RPG / Steamインディーゲーム
内容:システム検証・考察、レビュー、時々雑記
ゲームの仕様を読み解き、「考えること」それ自体を楽しんでいます。
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