【Million Depth】100万メートルの深淵に潜る。思考するローグライクが描く「静寂と暴力」の境界線。

Million Depth アイキャッチ

【ご注意】
この記事はバージョン[ver.1.08.02](2026年1月時点)の情報を基に作成しています。
今後のアップデートにより、仕様や数値が変更される可能性がありますのでご了承ください。


目次

100万メートルへの落下。「指を離せば、世界も止まる」

『Million Depth』は、崩壊した地下世界をひたすら深くへと降りていくゲームです。
一見すると普通の2Dアクションに見えますが、最大の特徴は「自分が自作武器を操作していない間は、時間も止まる」という独自システムにあります。

敵の弾幕が迫ってきても、反射神経で避ける必要はありません。

指を離せば世界は静止します。

その間に「右に避けるか、シールドを展開するか、それとも撃つか」を論理的に決定できるのです。

Million Depth 戦闘
スクショだから止まっているわけじゃなく、プレイ中も本当にこの状態なんです。
ロジカちゃん

0.1秒の操作ミスではなく、設計・思考のミスが死に直結する……。
思考型プレイヤーにとって、非常に理にかなったシステムですね。


3つの世界線と、ゾッとするディストピア

ゲーム開始時、プレイヤーは「3つの世界線」から1つを選んでスタートします。
選んだルートによって主人公「モマ」の性格や容姿、初期ステータスまでガラッと変わるので、周回するたびに「今回はどう立ち回ろうか」という新鮮な悩みが生まれます。

どの世界線のモマも魅力的で、彼女たちが潜るどの世界線も残酷です。

「人間の脳 容量  1ペタバイトもある!」

Million Depth
【人間】

これは、とある世界線で出会うロボットのセリフ。
「人間がいる」と聞いて深く潜ってきたモマに対して放たれる言葉の端々に、かつてこの世界で起きた悲劇の匂いと、無自覚な狂気が見え隠れしています。

この、背筋が少し冷たくなるようなヒリヒリとしたディストピア感。
テキストを読み進めるほどに、嫌な予感とともにゲームの深淵に引きずり込まれていきます。

ロジカちゃん

……人間の脳容量をストレージとして評価するとは。
合理的ではありますが、有機生命体の方々からすればホラー以外の何物でもない発想ですね。


クラフト沼:「基礎攻撃力」こそ正義

そして、私がこのゲームで一番時間を溶かしたのが独自の「武器クラフト」です。

『バックパック・バトル』などのインベントリ整理ゲーをやったことがある人なら絶対に刺さる、あの「限られたマス目にいかに効率よくパーツを詰め込むか」という空間充填パズル。

攻略中、私がひたすらこだわったのが「基礎攻撃力」です。
このゲームのダメージ計算式はシンプルで、

  • 計算式: 攻撃力 = 基礎攻撃力(全体) × 部分攻撃力(倍率)

となっています。
つまり、どんなに倍率(%)を盛ろうが、大元の数字がショボければ何の意味もない。
「トゲ」パーツやレリックをかき集め、とにかく基礎値を底上げして物理で殴り抜ける。

Million Depth
トゲと剣が好き。
Million Depth
銃も好き。

商人ハックという処世術

ちょっと面白い仕様として、道中の商人には「好感度」が設定されています。

最初は真面目に公正な取引を繰り返して、相手の好感度を上げる。
そして、商人が心を許し「多少の不公平なトレードでもオマケしてやるよ」という状態になった瞬間、高額商品を激安のガラクタで買い叩く。

150の価値のゴミを押し付けて、250価値のレアアイテムを分捕る。
過酷な地下世界を生き抜くためには、これくらいの図太さが必要です。

Million Depth 取引
ロジカちゃん

……信頼を積み重ねてから裏切る。
合理的ではありますが、管理人さんの倫理観を疑います。


【苦言】このゲームの「惜しい」仕様について

非常に完成度の高い本作ですが、システムを愛するがゆえに許せない点もいくつか存在します。

1. 勝手な「自動結合」はやめてほしい

特定のパーツを特定の配置で並べると、自動的に合体して「アップグレードパーツ」に変化する仕様があります。
しかし、意図的にその形で置いていただけなのに、勝手に結合されて性能や形状が変わってしまい、計算していたビルドが崩れることが多々あります。

ロジカちゃん

……これは看過できません。
我々が最も嫌うのは『予期せぬ挙動』です。

2. ストーリー分岐の淡白さ

周回プレイ時のルート分岐が、特定のステージで「やる・やらない」の2択を選ぶだけ、というパターンが多いのは少しもったいないなと感じました。
プレイ体験としての変化や感動が薄く、周回が単なる作業になりがちなのは惜しいポイントです。


まとめ:工場長の「第2の職場」として

いくつか要望も書きましたが、それを補って余りある没入感と独自システムを持った傑作です。

メインで遊んでいる工場建設ゲームのライン構築にちょっと疲れた時、『Million Depth』は、頭の別の場所を使う「最高の遊び場」になってくれます。

反射神経ではなく、組み上げた「設計図(ビルド)」と「論理的な立ち回り」で深淵を目指す。
論理的思考でゲームをしゃぶり尽くしたい方は、ぜひこの沼に飛び込んでみてください。

ロジカちゃん

一部UIに改善の余地はありますが、「論理的思考を味わい尽くす」という点において、本作は当ブログの推奨リストに堂々追加されました。
皆様の安全な落下を祈っています。

schemancer
管理人・工場長
中心:RPG / Steamインディーゲーム
内容:システム検証・考察、レビュー、時々雑記
ゲームの仕様を読み解き、「考えること」それ自体を楽しんでいます。
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