PCデスクの環境構築において、誰もが一度は頭を抱える「究極の二択」があります。
それが、「テンキーレスの広さ」を取るか、「フルサイズの利便性」を取るかという問題です。
特に『Satisfactory』のような工場自動化ゲームや、サバイバルクラフト系ゲームにどっぷり浸かったゲーマーなら、ある日ふと気づくはずです。
「数字入力、意外と使うな……」
さらに私の場合、1台のPCでゲームもブログ執筆も、仕事の作業もすべてこなします。
テンキーレスだと地味に数字入力のストレスが溜まり、かといってフルサイズキーボードを置けば、今度はデスクのスペースが物理的に消え去るというジレンマ。
この「デスクの広さ」と「入力の利便性」という絶対的な矛盾を、力技で、かつ美しく解決してくれた私の相棒が、「LEOPOLD FC980MBT」です。
今回は、この歪ながらも愛おしいキーボードをじっくり紹介していきます。
最大の魅力:テンキーレスのサイズ感に「テンキー」を無理やりねじ込む
本機のメリットは、何と言ってもその特殊な配列(レイアウト)にあります。
百聞は一見に如かず、です。
まずは以下の比較画像をご覧ください。

見ての通り、テンキーレスとほぼ変わらない横幅の中に、フルサイズのテンキーが丸ごと収まっています。
「じゃあ、本来なら入り切らないはずのキーたちはどこへ行ったんだ?」
そのパズルの答えは、公式の画像を見るとよく分かります。
矢印キーをメインキーとテンキーの「隙間」に滑り込ませ、使用頻度の低いキーはFnキーとの同時押しに統合する。
この、どこか変態的でありながら計算し尽くされた配列こそが、最大の武器です。
これなら、ローセンシでマウスをブン回すスペースを確保しつつ、工場ゲーでの緻密な流量設定や、仕事での容赦ない数値入力を1台で完璧にこなせます。
用途に合わせてキーボードを2台使い分ける手もありますが、管理人のデスクは常に飲みかけのマグやら読みかけの本で占領されています。
1台で完結するのは、物理的な意味で大正解です。
品質に妥協なし:「かな無し」の美学と、吸い付くような打鍵感
特殊配列のイロモノかと思いきや、LEOPOLDはキーボードとしての「基礎値」が異常に高いことも魅力です。
スタイリッシュな「JIS配列・かな無し」
ここ最近、私が「このデザインかっこいいな」、と思ったキーボードたち。
これらを購入しなかった理由は、「US配列」だったからです。
しかし本機は、日本人に馴染み深い「JIS(日本語)配列」をしっかりラインナップ。
さらに、キーキャップから「あ・い・う」などの「かな印字」を完全に排除したモデルも展開しています。
ノイズのない、非常にスッキリとしたデスク環境が作れます。


高級機に迫る「コトコト」という極上の打鍵音
個人的な話で恐縮ですが、本機に出会うまでは静電容量無接点方式の最高峰『REALFORCE』を長年愛用し続ける、REALFORCE信者でした。
だからこそ、メカニカルキーボードに変えることへの抵抗感は、人一倍強かったです。
「配列は最高だけど、打鍵感はさすがにREALFORCEには敵わないだろうな……」
そう思っていたのですが、いい意味で完全に裏切られました。
メカニカル特有の「カーン」という耳障りな反響音がなく、打鍵の心地よさは、REALFORCEと比べてもほとんど遜色ありません。
(もちろん、あちらの静電容量無接点方式による「スコスコ感」、こちらの適度なクリック感をともなう「コトコト感」、それぞれ打感は異なります。「心地よさ」という観点で遜色はない、という表現意図です。)
ブログの長文入力が、「意味もなくテキストエディタを開いてタイピングしたくなる」ような、ちょっとしたご褒美の時間に変わりました。
キーボードの打鍵感にはうるさい方だと自負していますが、このクオリティなら間違いなくおすすめできます。
私には「おまけ」だった機能たち
ガジェットレビューとして公平を期すために、世間的にはウリとされているものの、私の使い方では持て余してしまった機能にも触れておきます。
- 最大5台のマルチデバイス対応
Bluetooth接続で4台、有線と合わせて計5台を切り替えられます。
スマホやタブレット、仕事用ノートPCを机に並べる人には神機能でしょう。
ただ、私は1台のメインPCの前に根を張って動かないスタイルなので、完全に宝の持ち腐れです。 - ホットスワップ対応
後からキースイッチを別の軸に自由に交換できる機能です。
私はもう「茶軸一筋で生きていく」と決めているため、これも恩恵は薄めでした。
最新の多機能を『自分には不要』とバッサリ切り捨てる潔さ。
実に管理人らしい偏屈……いえ、合理的なジャッジです。
唯一のデメリット:テンキーの「0」の小ささだけは慣れが必要
ここまで絶賛してきましたが、この変態配列を成立させるために生じた、たった一つの「代償」についても触れておきます。
それが、テンキーの「0」キーが「1Uサイズ(普通の文字キーと同じ大きさ)」になっていることです。
通常のフルサイズキーボードだと、「0」は親指で押しやすいように横長(2Uサイズ)になっています。
そのため、長年フルサイズに慣れていた人がこのキーボードでブラインドタッチをすると、最初のうちは高確率で親指が「→」キーに当たるでしょう。
こればかりは、指先の筋肉に新しい距離感を覚え込ませるしかありません。
ただ、数日も使い込めば自然と手が適応してくれるレベルなので、致命的な欠点とまでは言えないでしょう。
総評:スペースと利便性のトレードオフを終わらせる一台
FPSのガチ勢で「コンマ数秒の反応速度(ラピッドトリガーなど)が命」という人には別の選択肢がありますが、それ以外の「腰を据えてゲームやPC作業にじっくり没頭したい」すべての人にとって、これ以上バランスの取れたレイアウトは存在しないと断言できます。
机の上の無駄なスペースは削ぎ落とす、けれど必要なツール(数字キー)は絶対に手元に残す。
この「LEOPOLD FC980MBT」は、あなたのデスクに最高の生産性と快適さをもたらす、頼れる相棒になってくれるはずです。
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