【クロノアーク】#0 100時間溶かした結論。「最大風速」のコンボより、地味で盤石な「薄いシナジー」がこの世界を救う

今回は、年末年始に寝食を忘れて没頭していた『クロノアーク(Chrono Ark)』を紹介します。

ジャンルは「デッキ構築型ローグライク」。ですが、ただのカード遊びと一緒にしないでください。
論理的な「最適化」の快楽。感情をかき乱す「物語」。
水と油であるはずの2つが正面衝突し、混ざり合った事故現場のような怪物タイトルです。

現在、Steamでのプレイ時間は約100時間。


最高難易度(ハード+血霧4+荒野ルート+真END)を踏破し、ようやくこの世界の真理に触れた今、書かずにはいられません。
なぜこのゲームが、試行錯誤を愛する我々の脳をこれほどまでに焼き尽くすのか。その病理を解剖していきます。

クロノアーク Chrono Ark  ハード 血霧 赤い荒野 真END 構成
最高難易度をやっと1回クリア。世の中には「連続クリア回数」を競う猛者も存在するそうです。
ロジカちゃん

年末年始のログを確認しました。
『数値の最適化』と『エモーショナルな物語』。
本来なら相反する要素ですが、管理人さんはその両方により深く没入していたようです。
確率論と感情論が同居している、珍しいケースですね。


目次

MMOのレイドを「脳内一人回し」する全能感

本作の戦闘は、「MMORPGのレイドバトルを、たった一人で操作するゲーム」です。

デッキ構築の金字塔『Slay the Spire(StS)』と比較されがちですが、プレイ感覚は明確に異なります。
あちらが「孤独な塔の登頂」だとするならば、『クロノアーク』は「賑やかなパーティでの冒険」です。

クロノアーク Chrono Ark ロール キャラクター
「設定上」、3つのロールが存在します。

一見すると、タンク・アタッカー・ヒーラーというロール制に見えます。
ですがこのゲーム、ロール(役割)の概念が良い意味で崩壊しています。

  • タンク: 攻撃を受ける役……と思いきや、反射ダメージで敵を殲滅し始める。
  • ヒーラー: 回復役……のはずが、物理で殴ったほうが強い奴がいる。
  • アタッカー: もはや何でもあり。

設定上の肩書きこそありますが、ビルド次第でヒーラーがメイン火力になれるし、アタッカーがサポートに回ることも可能です。
この「常識外れの自由な連携」を、他人とではなく、自分一人の脳内で完結させます

「こいつはヒーラーだが、今回のランでは殴らせる」。

既存のセオリーを無視し、自分の采配一つで盤面をコントロールするその感覚は、指揮官としての全能感に他なりません。

クロノアーク Chrono Ark プレッセル 神の怒り
自認ヒーラーのプレッセルさん。しっかり腰が入った素晴らしいスイング。
ロジカちゃん

……回復役がバットで殴りかかる時点で、既存のRPG理論は通用しませんね。 『名ばかりのヒーラー』が多すぎます。
ロール区分はあくまで目安、実態は『全員アタッカー』くらいの認識で挑むべきでしょう。


「最大風速」はいらない。盤石な「薄いシナジー」こそが最適解

このゲームを始めたばかりの頃、誰もが陥る罠があります。
それは、特定のカードが揃った瞬間に爆発的な火力を出す「ロマンコンボ」を追い求めてしまうことです。

ですが、100時間プレイして辿り着いた結論は逆でした。
「ハマると強い」は、事故れば死にます。

このゲームのボスたちは、陰湿極まりない独自のギミックを持っています。

「指定されたカードを使わなかった場合死にます」
「カードの即時発動を禁止します」
「このカードを使うと増援を呼びます」

クロノアーク Chrono Ark ゴーレム
赤いアイコンが付与されているカードを使用せずにターンを終えてしまった場合、全員に即死級のダメージ。

そんな強要をされた時、手札が特定のコンボパーツだけで埋まっていたら?
待っているのは死です。

だからこそ、私が提唱したいのは「薄いシナジー」の積み重ね。

「コイツとコイツがいれば、なんとなく噛み合うよね」
という、地味ですが盤石な組み合わせこそが、事故を減らし、クリア率を高める鍵だと考えています。

例えば、ヒーラーの「プレッセル」

彼女はパッシブスキル「予知」(山札の上を数枚見て、次に引くカードを選択できる能力)を持っています。
これが、基本的に誰と組んでも強い。

クロノアーク Chrono Ark プレッセル 予知
ターン開始時、どちらをドローするか選択可能。
  • +イリヤ(納刀)
    捨てられた時に発動する「納刀」カードを「予知」で引き、手札の一番下に送ります。
    手札の一番下を捨てるカードを使えば、即座に「納刀」が発動可能です。
  • +モモリ(内面の欲望)
    ダメージを肩代わりする「内面の欲望」カードは、被弾時に手札の一番下に発行されます。
    「内面の欲望」に隣接ボーナスのあるカードを「予知」で引けば、メリットを享受しやすくなります。

派手さはありません。ですが、確実に仕事をします。
そもそもプレッセルは、ヒーラーのくせにバットで殴る武闘派です。
彼女の優秀な攻撃カードを、アタッカーのトリーシャにコピーさせて殴らせれば、それだけで強い。

誰と組んでも腐らない。単体でも強い。
この「汎用性の塊」のような構築を広く持っておくことこそが、理不尽なギミックを突破する唯一の「最適化」だと考えています。

ロジカちゃん

一点突破の火力よりも、あらゆる状況に対応できる柔軟性を重視する。
システムトラブルを未然に防ぐための、堅実な設計思想ですね。


癖が強すぎるキャラクターたち(推し語り)

本作の魅力はシステムだけではありません。
登場するキャラクターたちは、性能も性格も一癖も二癖もある奴らばかりです。

ここで少し、私の独断と偏見による「推し」を紹介させてください。

性能が好き:連撃の快感

私はどうやら、ちまちまと手数を稼ぐスタイルが好きみたいです。
(強いか弱いかについては今回は触れず、あくまでも好みの話にとどめておきます。)

  1. アザール
    コスト0の攻撃スキルを量産し、無限に幻影の剣を飛ばし続けます。
    StSでいう「サイレント」のナイフデッキが好きな人は絶対ハマります。
  2. シズ
    特定の条件を満たすと、人形の「イブ」が追撃します。
    パズル要素が強いですが、使いこなして追撃を重ねたときはかなり気持ちいい。
  3. イリヤ
    「納刀」によるカード回収と連打。
    雷鳴が鳴り止まないあの画面、一度味わうと抜け出せなくなります。
クロノアーク Chrono Ark アザール 爆剣
コスト0カードを大量に発行するアザールならではのカード。
Chrono Ark クロノアーク シズ マリオネット
シズのレアスキルはどれも優秀。
クロノアーク Chrono Ark イリヤ 雷鳴斬-居合
「手札から捨てる」と、コスト消費無しで敵に攻撃して手札に戻ってくる。

ビジュアル・性格が好き:癖が強すぎる者たち

  1. モモリ
    地雷系タンク。 いつも敵を煽っているくせに、瀕死になるとすぐ謝ります。
    「雑魚発見♡」「ざぁこ♡ざぁこ♡」「よわWW雑魚~WW」など、カード名が終わっています
    このキャラの解説記事を出したいのですが、見出しが酷いことになりそうで頭を抱えています。
  2. ミス・チェーン
    火炎放射器付き自作チェーンソーを振り回す、陽気なお姉さん。
    RPGにおいて変な武器で戦うキャラはだいたい好きです。
  3. フーズ
    「ヒーラー×鞭」。ありがとうございます。
    バットを持っていたり、ガスマスクを被っていたり、このゲームのヒーラー陣はどこかおかしい。
    ルシーとの絆会話2段階目は必見です。

指先がリズムを刻む。ボス戦BGMという名の「劇薬」

『クロノアーク』を語る上で、「BGM」の存在は絶対に無視できません。
ただ流れているだけの環境音ではなく、このゲームの音楽はプレイヤーの感情を強制的に引き上げてきます。

特筆すべきはやはりボス戦。
張り詰めた空気の中、悩み抜いて切った「会心の一手」に合わせて楽曲が一番の盛り上がりを見せる瞬間、形容しがたい高揚感に包まれます。

カードを切る思考のテンポと、疾走感あふれるビートが完全にシンクロする。
気がつけば、音楽に揺られながらマウスを握っている自分がいるはず。

誇張なしで捨て曲は一切ありません。ぜひヘッドホンを装着して、この「音の暴力」を浴びてみてください。

下の動画は、私が一番好きなボス戦の戦闘風景です。
BGM、戦闘システムのサンプルとして参考にしていただけると。


システムが突きつける「残酷な選択」

最後に、物語についても触れておきます。

主人公は記憶喪失の少女、ルシー。 歪んだ世界を修復するため、何度も「死に戻り(ループ)」を繰り返します。

ローグライクにおいて、キャラクターは所詮「データ」に過ぎません。
ですが本作は、システムそのものがプレイヤーの良心を揺さぶってきます。

クロノアーク Chrono Ark 好感度 ヘリア
一定の好感度で発生する絆会話でキャラを深堀り。
クロノアーク Chrono Ark ハイローラー スチル
シリアスもコメディも、物語に没入するためのスチルは多すぎるほどに用意。

ネタバレに配慮し、深く語ることは避けますが、
好感度を上げ、過去を知り、愛着が湧いたその直後に、システム的な「コスト」として彼らを切り捨てなければならない場面が訪れます。

「効率のためなら切り捨てられる」はずのカードが、どうしても切れなくなる。
その葛藤こそが、このゲームが仕掛けた最大の罠であり、最大の魅力です。

ロジカちゃん

クリアのためなら、感情リソースはノイズでしかないはず。
ですが、そこで手が止まってしまうこと自体が設計された体験だというのなら……人間とは、なんと厄介な生き物なのでしょう。


まとめ

『クロノアーク(Chrono Ark)』は、論理的な戦略性と、感情を揺さぶる物語が見事に融合した傑作です。

「緻密な計算を楽しみたい」方も、「心に残る物語を体験したい」方も、どちらも満足させる稀有なタイトル。
まだプレイしていない方は、ぜひアークへと乗船してみてください。
きっと、記憶を消してもう一度遊びたくなる、忘れられない旅になるはずです。

今後、私が好きなキャラに絞った解説記事を数本投稿予定です。

ただし本作、有志作成の非常に分かりやすい攻略Wikiが存在します。
「解説記事」というより、私の主観モリモリの紹介記事、と表現する方が適切かもしれません。


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